2024年6月10日月曜日

音の伝わり方

音とは、物質中を振動(波)が伝わっていく現象です。

振動は、物体の周りにある空気を押し出し、圧縮します。
この圧縮された空気の濃い部分を、隣の空気がさらに押し出します。
このように、順々に空気の濃い部分と薄い部分が発生し、それが波となって伝わる現象を「音」といいます。
圧力の変化の波のことを「音波」といいます。

音を伝える物質「媒質」

音を伝えるための架け橋となるのが「媒質」です。媒質には、気体、固体、液体などがあり、それぞれ音を伝える速さが異なります。例えば、空気中では音は約340m/sで進むのに対し、水中では約1500m/s、鉄ではなんと、約5000m/sの速さになります。

音の伝わる速さには、密度と弾性率(物質の硬さ)が関係しており、軽くて硬い物質ほど、速いスピードで伝搬します。また、媒質がない状態では音は伝わらないため、宇宙などの「真空」で音が生じることはありません。


空気伝搬音

空気伝搬音とは、空気中を伝わって耳に届く音のことです。音源からの距離が離れるほど、音のレベルは弱くなり(距離減衰)、壁などの遮蔽物により、ある程度遮断することができます。

固体伝搬音

床や壁、天井などを振動や衝撃が伝わって聞こえる音です。固体は気体や液体よりも密度が高いため、音が伝わりやすい特徴があります。マンションなどで最も苦情が多いものの一つです。

液体伝搬音

空気や固体同様、液体中も音は伝わります。密度は気体の方が液体より小さいですが、弾性率は気体より液体の方が非常に大きくなっているため、空気の4~5倍のスピードで音は伝わります。実際に水中でしゃべろうとすると、なかなかうまくできないため、水中で音の速さを体感することは、難しいかもしれません。