アナログを利用するメリットとデメリットは、デジタルの裏返しといえる。
目や耳から情報を入れる人間にとって、感覚的に利用できる点は大きなメリット。
その反面、正確性に欠けることや複製が困難であることは、情報化社会にとっては、デメリットといえる。
(1)アナログを利用するメリット
アナログを利用するメリットは、感覚的に利用できるところ。
目や耳から情報を入れる人間にとって、アナログは自然に取り扱えるデータといえる。
曖昧さを残すことで、イメージで理解することができる。
1: 細かいニュアンスを伝えられる
細かいニュアンスを伝えられる点がアナログを利用するメリットだ。
アナログは連続性や曖昧さを残したもの。
変動している状態をそのまま表現できる。
例)デジタル媒体であるCDとアナログ媒体であるレコードの比較
レコードの方が音に深みがあったり微妙な音の違いが生じたりと、本来の音に近い状態で表現できる。
例)アナログ時計
秒と秒のスピード感も理解できるだろう。
本来の情報のイメージを伝えられることがメリットといえる。
2: 複製が容易でないため秘匿性が高い
アナログは複製が容易でないため、秘匿性が高くなることもメリット。
アナログデータは明確な数値や記号がないため、複製できない。
複製できないこと自体は、デメリット。
しかし、複製できないことは秘匿性の高さにつながる。
秘匿性が高いことはメリット
例)暗号資産のウォレットシードフレーズ
「紙に書いて保存するように」と指示がある。
これはアナログデータは複製できずセキュリティも高いことを活かした指示だ。
デメリットである複製の難しさも、裏を返せばメリットにつながるというわけだ。
3: 感覚で理解しやすい
感覚で理解しやすいこともメリット。
絵や音楽は、アナログデータだ。
絵や音楽を使えば、理論ではなく感覚的に表現することができる。
言葉や数値では表現できないものを表現できるため、頭ではなく感情に訴えるようなこともできる。
曖昧さがある分、その表現方法には限界がないこともメリットといえる。
(2)アナログを利用するデメリット
アナログを利用するデメリットは、デジタルのデメリットの裏返し。
明確に数値で表すわけではないため、正確性に欠ける。
複製できないことも情報化社会にとってはデメリットといえる。
1: 正確さに欠ける
アナログは、数値で明確に表現するわけではないため、正確性がない。
例)時計
時計がいい例だろう。
デジタル時計が明確に数値が表示されている。
一方、アナログ時計は、秒針が常に動いているため、何秒かどうかは、曖昧にしかわからない。
例)水銀温度計
水銀体温計は、0.1度単位の温度の違いは、曖昧。
同じものを見ても、37.1度とする人と37.2度と答える人がいるだろう。
このように、正確ではない点はデメリットであるといえる。
2: データの複製・保存がしづらい
データの複製と保存がしづらい点もデメリット。
アナログデータは、細かいニュアンスまで表現できる反面、その細かいニュアンスを完璧に複製することはできない。
また、保存しづらいこともデメリット。
例)音楽
音楽でいえば、レコードは音の再現性が高い反面、劣化するという欠点がある。
アナログデータをデジタルにした場合は、保存はできる。
一方で、細かいニュアンスは失われる。
ニュアンスや曖昧さといった情報量の多さがデータの複製や保存を難しくしている要因だ。